新公益法人制度 ズバリ詳細解説7 −新しい法律の内容から−
2006年6月21日

非営利法人総合研究所(NPO総研)
CEO兼主席研究員 福島 達也

 今までの社団・財団法人から公益認定法人へ
 公益認定を希望する現行の社団・財団法人は、行政庁に認定申請を行う。
 認定されるかどうかは、公益認定等委員会しだい。

■特例民法法人から公益認定法人に移行するには

 公益認定法人への移行を希望する特例民法法人は、平成20年の施行日以降、旧主務官庁を経由せず、新たな行政庁(内閣府または都道府県庁)に対して、直接公益性の認定を申請することができます。

 特例民法法人が行う公益性認定の申請については、定款や定款変更案が新法の規定に適合していることなど、新制度における一般の団体の公益性認定と同一の基準によって審査を受けます。

 気になる認定審査ですが、有識者で構成される「公益認定等委員会」が公益性の認定を判断する際には、基本的に活動実績などは問われません。しかし、経理的基礎を明らかにするために申請時における財産目録や貸借対照表などについても審査を受けることになりますので、過去の実績をまったく見ないというわけではありません。また、法律制定時の附帯決議では、実績を十分に考慮することが明記されていますから、やはり、過去の活動で判断すると考えるのが一般的です。

 そして、行政庁から「公益性あり」と公益認定を受けた特例民法法人は、すぐに移行の登記をします。登記をして初めて公益性のある法人「公益社団・財団法人」として生まれ変わることになり、今後もその行政庁の監督を受けることになります。認定を受けることができない団体は、その後一切、「公益」という文字の使用はできませんので、注意が必要です。

 ただ、この行政庁の監督自体が多くの専門家に批判を浴びている部分でもあります。今まで批判の多かった主務官庁制をなくした教訓を生かし、いかに影響力を排除できるかが今後の争点となりそうです。

特例民法法人から公益認定法人への移行

現行の社団法人・財団法人

行政庁に認定申請書などを提出
(申請書、定款変更案、事業計画、収支予算、財産目録、貸借対照表等)

行政庁は「公益認定等委員会」に公益判定を諮問

公益性認定(公益性あるかないか)の答申

行政庁が認定証(または不認定証)を交付

認定なら公益社団・財団法人・不認定なら一般社団・財団法人認可申請へ


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